お芝居と組み合わせた音楽活動に活路見出し飛躍|ピアニスト、作編曲家・cue(キュー)さん
B!
ミュージックライフスタイリスト® 笑 満ちるです。
今回は、劇団のための音楽を創り続けているピアニスト・作編曲家のcue(キュー)さんにインタビューを行い、彼女の音楽的な背景と転機、そして最近のミュージック・ライフスタイルについてお話をうかがいました。
目次
幼少期からピアノ練習に励む日々
幼稚園4歳でピアノを始めました。自分もやりたい!という気持ちで練習、練習の毎日を送っていました。先生から「来週までにこの曲をやってきなさい」と言われると喜んでどんどんやっていたので、バイエル、ハノンを通して演奏技術がついていきました。
これは自分にとっては自然なことだったのですが、周りを見渡すとピアノレッスンの日にあわてて練習してくる人も少なくなく、続かない人が多いことに気づきました。
クラシックが嫌になり、ピアノを手放しバンドの道へ
高校生になり、音大に進むかどうかという段階で私はクラシックはもう嫌だから音大に行かない決断をし、ピアノを一度やめています。
兄の影響でそれから二十歳すぎまではバンドでベースを弾くようになりました。
オリジナル曲で音楽制作をスタート
映像・音楽制作をしている夫(元夫)との結婚後、自分も音楽制作をスタート。オリジナル曲は勝手に出てくるようになっていました。
ライブやCD制作を続けるも、音楽活動に壁
またある友人からは「君はジャズ歌ったら面白いかもしれないね」なんて言われて音楽活動を続けていました。
でも、ライブ、CD制作とやりつくしても、観客はいつも同じ顔ぶれで、なかなかお客さんが増えないことに行き詰まりを感じていました。
音楽探求したい!人生変えたい!と願う一方、「きっと自分はいいはずなのに、広がらない」
そうなると、どんどんとネガティブな妄想に入っていってしまうんです。
自由になれたはずが、どうして?!
そんな中、夫は「自分がいるからじゃないか」っていって、結婚20年後に離婚することになりました。
夫と別れ、一人になり自由になったのにも関わらず、悶々とした日々は続いていました。
「生きろ!」ペットからのテレパシー
私は当時、高齢のペットを飼っていて、テレパシーのようなものを受け取りました。「生きろ!」って。
徐々に生命力が出てくるのを感じました
音楽と何かを組み合わせることに感動する自分を発見
「楽しいってなんだろう?」と自問。
すると、自分は音楽と何かを組み合わせたものに感動することに気づきました。
音楽と演劇パフォーマンス。
この組み合わせが、自分の本当にやりたいことなんだ!
そうひらめいた私は、劇団主宰者のメルマガからワークショップに参加しました。その後、そこから公演の即興ミュージシャンのご依頼をいただきました。
その即興公演には、また別の劇団主宰者が参加されていて、のちにその方の演劇の舞台に今度は役者としてお誘いいただくことになったんです。
3年で100曲創り、劇団へ提供
そうして役者としても舞台に立つようになり、そこからコンスタントに劇団用の作編曲の仕事をいただけるようになっていきました。
そこから3年間で、そうですね、100曲くらいは創ってきました。
ジャズピアノにも挑戦!
劇団の音楽にどっぷりと携わりながら、もう一つの夢である「ジャズ・ピアノをやりたい!」という気持ちが高まり、ジャズの専門学校に通いました。ルーツ音楽院です。ここでは行き詰まっていた技術的なものを解決し、前に進むことができました。ここで教えてもらった知識が曲を分析するのにもとても役立っています。
ジャズ・ピアノで循環コードを練習するようになったり、バンドにベースがいる場合、いない場合の違いとか、色々なキーに対応することなど。
「iRealb(アイリアルビー、音楽アプリ)」ってあるでしょう、あれを使って練習したりしています。
ピアニストとしても定期的にライブ活動
月に1回ほど、銀座のBarでライブをやっています。歌の伴奏者としてジャズも演奏しているので、普段はライブに備えた個人練習や作曲が中心です。
他の人と合わせるのはライブの前だけで、定期的にやってるものは当日リハだけです。
メンタル面のブレイクスルーを実感
以前は「うまくいってる人をみると妬む」ことがとてもよくあったんですが、やはり自分の方向性や道のようなものがみえてきて、
「あの人はあの人。私は音楽とお芝居と組み合わせたものがやりたいのだから!」
と目的を明確にしてから、そういったネガティブな妬みは一切なくなりましたね。
自力でなんとかしようとするのはやめました
音楽って神様から与えられているものだと思うんです。
それなのに、以前は自力でなんとかしようとばかり思っていた。
それはある意味、わがままなんです。
今では劇団用に曲を書くと
「主題に寄り添ってくれますね」
とよく言われるようになりました。我を入れていないので、自ずと寄り添えるようになったのかもしれません。
次から次へと、音楽が生まれていく。
神様の仕事なのだから、ネタ切れなんてないんです。
こうした心境になれたのは、どん底を経験したからかな、と思います。
そうして今や、24時間まるごと自分時間に!
ありがたいことに、今の私は1日24時間を自分の好きなように使えます。
元夫の会社の経理もやっていますが、基本的に24時間、自分の音楽のために時間を使うことができる。
ゆえに、こうしよう、と自分で時間配分を決めていかないといけないから、自分を律する必要がありますね。
私の一日の過ごし方
朝は早いんです、5時〜6時には起きています。ペットの亀が外に出たがり、起こされるんですよ(笑)。
お祈りし、感謝を捧げる。そして自分で食事をつくり、ゆっくりと食事して、作曲です。
締め切りある仕事には、頭の中が音楽でいっぱいになる状態で、がっつり集中して取り組みます。
買い物ついでに散歩に出かけると、2時間、3時間でも歩いていられるんです。
散歩しながら、音楽を聴く。ジャズ、ポップス、ロックなど幅広くたくさん聴くようにしています。
そして、帰ってきたら昼寝をしたり、長めに休憩を取る、という生活。
そうして、またご飯をつくり、晩酌したり映画をみたり、友達に会ったりして過ごします。
心が充実し、満たされた気持ちでいられることに感謝しています。
cue(キュー)さんについて
cue(キュー)
ミュージシャン&ヒーラー
作詞・作曲・アレンジ
ジャズボーカルライブやレコーディングを多数経験
また、他アーティストの楽曲アレンジ、プロデュース、演奏サポートを行う一方、企業CM等の楽曲を制作してきた。現在はお芝居の音楽制作やライブサポートが主。
cueちゃんのピアノはとても安定感があり、安心して歌えます。
その背景には子ども時代にみっちりと練習を重ねた基礎があり、また様々な経験を経て到達した、自分でみつけた境地があるのだと知りました。
劇団のために書き下ろした楽曲を無料公開
『オイディプス王』から2曲
他、劇団の楽曲2曲です
インタビューを終えて
あなたの人生のcueを出すのはあなたです
(後日談)引き寄せ合う奇跡
cueさんがインタビューを受けた感想をブログにアップしてくださいました。
満ちるさんには、改めて
自分の活動を振り返る貴重な機会をいただき、
心から感謝しております
最後まで読んでみてびっくり、初めてお会いした日から引き寄せ合う奇跡に感激しました!