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音楽家の天敵は「物件探し」と「通勤ラッシュ」?フラメンコギタリスト徳永兄弟ロングインタビュー(#2)

前回に引き続き、フラメンコギターデュオ「徳永兄弟」ロングインタビューをお届けします。

満ちる
満ちる
第2回目の今回は、スペイン留学から帰国後の東京での暮らしぶりと、お二人が「フラメンコギターソロ」の「デュオ」(後述)として活動し始めた当初のお話、ライフスタイルとして重要となる音楽家の住宅事情や、朝起きてから夜寝るまでのタイムスケジュールなどもお伺いしました。

前回の記事(#1)はこちら↓

「スペイン留学で本場のフラメンコギターを聴いたら、心に火がついた。」フラメンコギタリスト徳永兄弟ロングインタビュー(#1)

続きはこちら(#2、#3、#4)↓

音楽家の天敵は「物件探し」と「通勤ラッシュ」?フラメンコギタリスト徳永兄弟ロングインタビュー(#2)

「フラメンコの魅力は特有のリズムと肌で感じられるグルーヴ感!」フラメンコギタリスト徳永兄弟ロングインタビュー(#3)

フラメンコギタリスト徳永兄弟とは?

幼少期より父、徳永武昭のもとフラメンコギターを始める。
中学卒業後スペインへギター留学。
日本フラメンコ協会新人公演奨励賞ギター部門を兄弟共に2年連続受賞。
兄はスペインのセビージャにてCERTAMEN ANDALUZ FLAMENCOS アンダルシアフラメンココンクール準優勝
弟は2019年にスペインのバルセロナでの国際コンクールで決勝進出し4位に入賞。
その後、日本とスペインを行き来し様々な舞台にて活躍し現在に至る。
2022年 【日本コロムビア株式会社】とマネジメント契約を結ぶ

徳永兄弟公式ホームページ

スペイン留学から帰国後は東京へ

――20代の前半で日本に帰ってきたんですか?

健太郎:そうです。21歳や22歳の時だったね。

康次郎:帰ってきたタイミングで東京に住み始めました。

――じゃあ、もう実家には顔を出してすぐにお二人で東京に出てきた?

康次郎:はい、そうです。

――2歳離れているから追いかけて康次郎さんがスペインに行って、健太郎さんは8年くらい、康次郎さんは6年弱くらいスペインにいたということですか?

健太郎:その通りです!

――東京ではお二人でずっと一緒に活動なさっていたんですか?

康次郎:そうですね。「徳永兄弟というギターデュオでフラメンコギターソロを弾く」ということに関しては二人で活動していました。
ただ、フラメンコの踊りの伴奏は一人でもできるんです。
二人とも呼ばれることもありますが、基本的には一人ずつです。
フラメンコギターの二重奏はスペインでもそんなに多くないので、日本人で二人で、しかも兄弟というのはおもしろいですよね。
ギターソロの活動では、二人であることが強みです。

――インパクトがありますよね!

康次郎:そうですね、ギターソロの活動は二人でやるようにしています。

”フラメンコギターソロ”を“兄弟デュオ”で演奏ってどういうこと?

吉祥寺のスターパインズカフェ 森田悠介さんのバースデーライブにて

――ギターソロを二人で、というのは?

康次郎:ちょっとややこしいですよね。ギターソロというのは「ギターを一人で弾く」という意味ではないんです。

健太郎:ギターソロのデュオって言うとすごくややこしいことになる。(笑)

康次郎:フラメンコギターってもともと伴奏楽器なんですよ。
フラメンコは歌が発祥で、歌の伴奏をするためにギターが生まれて、それに踊りがついて、踊りの伴奏をするのがギターなんです。
歌も踊りもなくギターだけを弾くことを「フラメンコギターソロ」と呼ぶんですよ。
ギターだけで演奏をするのはかなり新しくて、フラメンコの中でも一番後に生まれたものですね。

――日本人で、しかもギターソロのデュオで、しかも兄弟で一緒にやっていると。すごく特徴がありますね!

健太郎:情報量が多いですね(笑)

――東京にいる間は一緒に暮らしているんですか?

康次郎:去年(2019年)頃から別々に住み始めました。
それまでは小さい部屋で家賃を折半して二人で生活していました。

――お二人ともすごく活躍されているということですね。

康次郎:全然!生活できるだけです。

健太郎:ギリギリ(笑)

康次郎:でも、自分たちの好きなことをやって生活できてるから幸せです。

コロナ禍にオンラインサロンを開始!

徳永兄弟のFLAMENCO SALON

――いま、演奏活動以外に取り組んでいることはありますか?レッスンや教室で教えることは?

康次郎:個人レッスンは受け付けてるんですけど、教室はまだやってないです。

健太郎:最近、オンラインサロンを始めたんですよ!

康次郎:それは教室っぽいかもしれないね。
学びのコンテンツとか、ライブ配信とかもやろうと思ってるんですけど、まだ始めたばかりです。

――まさに出来たてホヤホヤですね!サロンのコンテンツはフラメンコギター愛好家や、フラメンコギタリストになりたい人向けですか?

康次郎:それもありますし、僕らのライブ配信などの話が聞きたい方や、フラメンコ愛好家の方も踊りの方も歌い手の方も、誰でもという感じです。

健太郎:未経験の方でも誰でもOKです。

康次郎:今のメンバーだと、ギターの人が半分、踊りや歌の人が半分という感じです。
ギターに限らず、いろいろな人に与えられるコンテンツをやっていこうと思ってます。

――それは興味深いですね!オンラインサロンの名前は何というんですか?

健太郎:「徳永兄弟のFLAMENCO SALON」です。
僕らを中心としたフラメンコのコミュニティのような感じでやってます。

――素敵ですね!サロンの紹介を見ると「日常レポートもマメに更新していきます」と書いてありますね!教則ビデオ、またはライブ配信、演奏動画、さらに徳永兄弟の日常レポート。日常レポートというのが特に気になりますね。どんなコンテンツなんですか?

健太郎:ブログのようなもので、普段SNSには載せないようなことを書こうかなと。
非公開のプライベートグループなので、日常的なところも少しずつ上げていきたいと思っています。

康次郎:そうですね。皆さんの意見を聞きながらですね。

「運も大事」な音楽家の住宅事情

――自宅でギターを生音で弾くためには住宅事情を考えなければいけないと思います。東京で探した物件は音出しのことなど意識されましたか?

康次郎:僕達が住んでいた部屋は二人暮らしにちょうどいいくらいの広さでしたが、他の部屋はファミリータイプの大きめの部屋だったので壁が厚めでした。
いまは健太郎が出ていって僕がその家に残って4年ほど住んでますが、一度も騒音で苦情が来たことはないです。
一応、夜の10時には音を出すことはやめるようにしています。

――音を出す時間は気にしているんですね。

康次郎:ルールがあるわけではないのですが、自分で音を出さない時間を決めました。
ただ、隣の部屋からギターの音がすることがあって「あ、ギタリストが住んでるんだ!」と気付きました。
音大も近くにありますからね。

――場所はどのあたりですか?

康次郎:東京23区内の西部です。
一人暮らしになるときに僕も別の部屋に引っ越そうかなとも思ったんですけど残りました。
4年間住んでいて苦情が来ていないので、家でCDなども録音できて便利なんですよね。

――すごいですね!自宅でレコーディングもできちゃうんですね!

康次郎:そうです、2枚作りました!

健太郎:あの部屋は音がいいんだよね。

康次郎:畳の部屋がいい音がするんですよ。

――それは掘り出し物でしたね!音大も近く、壁が厚い物件があるんですね。苦情が来て周りを気にしながらということもなく、レコーディングまでできてしまうというすごくいい環境でしたね。

康次郎:すごくいい物件に出会えたなという感じです。
何もわからずそのエリアにしたんですけど運が良かったです。
すぐ引っ越すことにもならなかったし。

――面倒ですもんね、引っ越すの。

健太郎:基本的に楽器は禁止のところが多いからね。
僕が物件を選ぶときは「最上階の角部屋で、鉄筋コンクリート」という条件で探します。
絶対良い物件が見つかると思うんですよね。
ただ、基本的に楽器OKってあまりなくて、やっぱり運なんです。
不動産屋さんに行くと「スタジオに住んでくれ」と言われてしまう……。

康次郎:楽器がOKの物件はなかなかないですね。
あったとしてもすごく少ないし、女性限定の物件が多いです。

――最上階にこだわるのは、上の階の音などが入らないから?

健太郎:音は上に抜けるので、最上階なら上の階の騒音にならないからです。
下の階は自分たちの足音などに気を付けていればギターの音は気にならないと思います。

――なるほど。角部屋というのは隣との接地面が少ないから?

健太郎:そうですね。あと、角部屋のなかでも隣の部屋との接地面にバスルームやトイレや押入れなどがある間取りを選ぶようにしています。

康次郎:いま住んでいる部屋は間取りもバッチリです。

健太郎:そういう条件でいえば、あそこは完璧だね。

康次郎:ついでに、たぶんギタリストが隣に住んでるという(笑)
下の階には日曜日だけベースを練習しているお父さんもいたし、夜中に弾き語りをする隣人もいて。

健太郎:あれはマナーのないやつだね、あれはだめですよ。(笑)
夜中の3時頃にOfficial髭男dismの「Pretender」をめちゃくちゃ熱唱する人がいて。
爆笑です(笑)

――どういう生活してるんですかね、その人(笑)

康次郎:僕らも夜中まで起きてることもあるので「あ、髭男歌ってるわ」って笑ってました。

――音楽愛好家の方がたくさん住んでいる建物なんですね。部屋を探すときは自分たちなりの条件や間取りも考えて探すほうがいいと。

健太郎:物件探しは運も必要ですね。

康次郎:騒音になるかどうかは、住んでいる人の問題だと思うんですよ。
僕の友達はコロコロ(粘着ローラー)をかけてるだけで下の階から苦情が来たって……。

――えー!コロコロって音する?

康次郎:気にする人は小さな音でも気にするんですよ。
僕らは夜中に「Pretender」歌われても別に、「あぁ、歌の練習してるんだな」としか思わない。
でもそういう音も気になる人がいたら苦情になってしまうと思う。
僕たちも音量や時間に配慮しますが、周りに音がまったく漏れていないわけではないと思うので、苦情を言われなくて運が良かったと思います。

――レコーディングまでできるのは本当にいい物件ですね。

康次郎:そうですね!

実家では昼夜逆転!?1日のタイムスケジュールとは

――毎日朝起きてから、夜寝るまでのお二人の日常の時間割を教えてください。

健太郎:しょうもないですよ(笑)

康次郎:今ひどいですよ(笑)

――いま実家にいるから?

健太郎:お昼の2時頃に起きて……。

健太郎:僕らの朝ごはんがみんなの昼ごはんみたいな。
そこからしばらくしてまた寝るって感じで、それの繰り返しですね。

康次郎:練習や、今だったらオンラインサロンのことなどをしています。
そして、夕飯を食べて寝る。
それでまた夜中の1時や2時に起きて。

健太郎:そうそうそう。

――起きるのが夜中の2時ってことは寝るのは何時なんですか?

康次郎:4時とか5時?6時とか。

――朝の4時頃に寝て、7~8時間寝て午後の2時に起きるんだ!

完全に夜型ですね。

健太郎:昼夜逆転してますね。

康次郎:新潟の実家にいるときはそんな生活です。
東京に行ったら夜10時までしかギターを弾けないので、もっと規則正しくなりますよ。

東京でのタイムスケジュールはライブが中心

――東京ではどんな感じなんですか?

健太郎:仕事の時間に合わせて起きます。

康次郎:仕事の入りが早ければ早く起きて、早くなければ昼の前に起きます。

健太郎:ライブがあるときは15時入りとか16時入りとか、夕方に会場に入ります。

康次郎:基本的に昼までに起きることが多くて、入り時間(15時~16時)までに間に合うように練習や準備をして家を出るということが多いです。
地方の仕事のときは移動時間があるので、始発に合わせて朝早く起きなきゃいけないときもあります。
生活サイクルが乱されるのでキツイですね。
急に「明日、朝の飛行機で福岡です」みたいなときは気合いで起きてます。

健太郎:生活サイクルが組めないというのはアーティストあるあるだよね!

――わかります。

健太郎:夜型の仕事と朝型の仕事がごちゃごちゃになって、それが気付かないうちに疲労となって、そこからガタがくるというあるあるですね。

康次郎:でも毎朝、通勤時間に電車に乗らなくてもいいというのは楽です。
ラッシュ時をズラして、しかも遅く起きられて。
帰ってくる時間も遅いですけどね。

移動が通勤ラッシュにぶつかると大変!

通勤ラッシュのイメージ

――朝の通勤ラッシュに重なると大変ですよね。

健太郎:空港や東京駅に向かう電車がヤバいです。7時頃の時間帯。

康次郎:地方でも入りは15時頃なので、新幹線や飛行機に乗ろうとすると早めに出なきゃいけなくて、それが通勤ラッシュと被ります。

健太郎:僕たちはサラリーマンと違ってギターとスーツケースを持ってるんです。
それで満員電車に乗るのがヤバい(笑)

――大ひんしゅくですよね(笑)

健太郎:ギターとスーツケースを持っていたら全然電車に乗れないんですよ。

康次郎:心の中では「すみません、でもこれがないとダメなんです!」と言ってますよ。

健太郎:でも、満員電車に乗らないと仕事に行けないという。

康次郎:なるべくラッシュの電車を外そうと思ってるんですけど、空いてる電車がないのでどうしようもないですよね。

――そうですよね。

健太郎:早く出ても混んでいてダメだし。

康次郎:まわりの人に東京で大変なのは満員電車と聞くので、地方に行くとき以外はラッシュを避けて仕事に行けるのでありがたいですけどね。

ここまで、徳永兄弟のライフスタイルについてお話しいただきました。

満ちる
満ちる
#3では、第3回目の今回は、コロナで外出自粛中にじっくりとした自分たちに向き合う時間を過ごされた様子、生のフラメンコの魅力、フラメンコギターの地域性、フラメンコ特有のリズム「コンパス」についてなど、バラエティに富んだ話題をご紹介します。ぜひ続きも読んでみてくださいね。

#3 へ続く

「フラメンコの魅力は特有のリズムと肌で感じられるグルーヴ感!」フラメンコギタリスト徳永兄弟ロングインタビュー(#3)